あまり触れたくなかったのですが、うちの性格上触れないとツッコミが来そうなので…。新人アイドルを証券化、1口5万円で個人出資者募集(ZDNet)。最初見た時は、「こんなの大神源太の映画に出資するのとほとんど変わらねえじゃねえか」と思ったのですが、思考停止しても面白くないので、ちょっと考えてみる。一口5万で500万調達目標なら妥当かも知れない。
まず、アイドル市場を株式市場にたとえると、新規上場と上場廃止を繰り返し、一社の平均上場年数は長くて2年程度と考えられます。このような市場で儲かるシチュエーションとしては、新規上場、その直後の値上がりによる上場益くらいしかありません。特にグラビアアイドルの場合、枚数を重ねても継続的に売れ続けるという例は少ないので、最初の数枚で利益還元するかどうかが重要になってきます。
ファンドの対象としてグラビアアイドルというのは不利な条件です。DVDという映像メディアは、継続性に欠ける、言い換えると飽きやすいという特徴があります。先程述べた「枚数を重ねても売れ続ける」ということが少ないのは、これにも由来します。ということで、グラビアアイドルはしばらくすると路線転換を余儀なくされます。その場合、女優なり、CMタレントとしての成功を求める方向に行きやすいですが、そうなると個人を対象とした物品(DVDや写真集など)の売れ行きは低下する特徴があります。そういう意味でも、長期的なファンドとはなりがたいでしょう。
長期的なファンドにするために、おすすめなのはCDデビューです。音楽メディアはリピート性が高いですし、シングルなどリリース間隔が狭まっても継続して買ってくれる可能性があります。再販商品故の不利な点もあるにはあるのですが、ファンドとしてはそういうものも出てきて欲しい。
CSでの番組というのは、投資家に安心感を持たせる実績としては有効なのかも知れませんが、市場の広がりが全く期待できないので、足がかり程度しか使えません。集めた金だけで展開するのではなく、勝負を掛ける意味で追加で金を使って、地上波の番組を持つくらいの勢いが必要でしょう。
とはいえ、いきなり地上波番組確保は難しいかも知れません。それを補う意味で、前述のCDデビューは不可欠でしょう。グラビアアイドル、という位置ではテレビへの登場機会は限られますが、CDデビューをすることで歌番組などへの展開も可能になります。AMやFMへの登場機会もあるかも知れず、市場の広がりが期待できます。
現時点では、このファンドの対象がどのアイドルかは明かされていません(とはいえ、「10月からCSで番組」という内容から程なく情報は出てくるでしょうが)。これはこのままにしておくべきでしょう。アイドルの応援というのは結局思い入れなので、「このアイドルを熱心に応援しても、結局その儲けはファンド出資者に行くんだよな」というのは熱意を冷めさせる原因となります。
でも、そのうち明らかになるので、その時の対応策として、各アイドルに手近な目標を(意図的に)吐露させるのも必要でしょう。例えば「グラビアでの成功を元に女優になりたい」など。そうすうることで、「出資者の儲けにはなるかも知れないけど、○○ちゃんにとってもそれはいいことなんだ」という幻想を抱かせ、ファンの熱意を維持することが出来るでしょう。
適当に書いてみましたが、はっきり言ってどうでも良いです。とりあえず、5人のメンバーを教えてください…(調べるのが面倒になった人談)。