■ [読書] 鈴木博之「日本の<地霊>」(講談社現代新書)
地霊には「ゲニウス・ロキ」というルビが振ってあります。前書きには「『地霊(ゲニウス・ロキ)』とは、土地の単なる因縁話や因果律ではなく(略)」と書いてありますが、読む限りその辺の話と大きく違わない気もします。建築史家の書かれた本だけに、建築に関する視点の多めな、土地の因縁話といったところか。で、国会議事堂や広島平和記念公園、旧財閥の開発地などの話が書かれてあります。やや書き方にきざっぽさを感じる物の、文章は読みやすく、アプローチも多彩で、非常に面白かった。前著「東京の[地霊]」もすごく読みたくなりました。[→amazon]