メジャー月刊アイドル3誌に登場したアイドルの変遷

はじめに

現代日本で、月刊で発行されているアイドル誌のうち3大アイドル誌と 呼んでも良いと思われる、「B.L.T」「BOMB」「アップトゥボーイ」について、 B.L.T創刊以降に各誌にグラビアで登場したアイドルの変遷をまとめてみた。

B.L.Tに関しては創刊以降、表紙+巻頭グラビアが篠山紀信撮影、センターが野村誠一 撮影、巻末に水着グラビアで各1人、合計3人を掲載するというフォーマットを 原則として崩していない。それ以外は記事中に写真が挟み込まれるという形であり、 厳密に言うとグラビアと異なる。そのため、最初に上げた3人に登場したアイドルを ピックアップした。ただし、巻頭グラビアに関しては一度だけ(下表(*2))、 井ノ元浩二撮影の回が存在する。

BOMBでは、表紙とカラーグラビア10数ページ、モノクロページまでの大特集が1人と、 その大特集の前の巻頭でのグラビア6ページ程度、計2人を毎号大きく取り上げている。 そのため、ここではこの2人をピックアップした。ただし、1999年4月号から12月号 までは、巻頭でのグラビア6ページ程度の枠で読者プレゼントを行っていたため、 巻頭グラビアは存在しない。

アップトゥボーイ(UTB)には決まったフォーマットは存在しない。表紙を彩る アイドルのグラビアが本誌には掲載されない月も、ごく稀にではあるが存在する。 しかし、表紙に掲載されたアイドルが巻頭、あるいは巻末のグラビアを飾る場合が ほとんどであるため、ここでは表紙に掲載されたアイドルと、それ以外で最も 大きく取り上げられていたアイドルをピックアップしている。「最も大きく 取り上げられている」のを判断する基準としては、表紙での名前が大きい文字である、 表紙を飾るアイドルが巻頭の場合は巻末、巻末の場合は巻頭に掲載されている、 などを総合的に勘案してある。(*1)の4人とは、前田姉妹、浜丘麻矢、大村彩子である。

一番右の欄「UTBモノ」は、本稿の趣旨とはあまり関連がないが、アップトゥボーイ 唯一のモノクログラビア「MONOCHROME FRAME」に登場したアイドルの名前を 列挙してある。アイドルに興味のある方なら、このコーナーの人選が非常に 興味深いものであることが理解できるであろう。

考察

上の表のうち、背景が赤く塗られているのは、広末涼子、榎本加奈子、奥菜恵の 3人である(グループ1)。私はこれらの3人を呼ぶとき、厳密には奥菜恵は79年 生まれではあるのだが、どうも80年組と呼びたくなる。 背景が青色であるのは、82年組の深田恭子、加藤あい、鈴木あみの3人と、 遅れてきた80年組の田中麗奈である(グループ2)。緑色に塗られているのは、 「日経エンタ」命名のアイドル新・四天王、内山理名、後藤理沙、木内晶子、 池脇千鶴である(グループ3)。なお、彼女たちとは別に優香を青色の文字で、 釈由美子を緑色の文字で示してある。ちなみに、ここに上げた13人のうち、 9人が血液型がOである。どうでも良いことではあるが。

上記のグループは、おおむね活躍時期をもとにグループ化してみた。 だから当然であるとも言えるのだが、鮮やかなくらいに世代交代が起こっている ことが分かるだろう。

98年はグループ1の年であったと言える。主要3誌の表紙に3人がだれも掲載され なかったのは5月、8月、10月のみ、それらのどの月においても主要グラビアの どこかには掲載されている。しかし、それらの勢いも98年10月号頃には衰え始める。 B.L.Tの98年11月、12月号に広末、榎本が連続掲載されたのが、今となっては 最後の輝きだったのかも知れない。

それと同時期にグループ2の輝きが増してくる。アップトゥボーイの98年11月、 12月の表紙を鈴木あみ、田中麗奈が飾ったのが号砲だったのだろうか。98年後半は、 鈴木あみのシングルラッシュ、深田恭子のドラマ(98-7〜9)、加藤あいのポケベル CM開始、田中麗奈のCMラッシュ中盤と大きく流れは動き始めた時であった。 99年のアップトゥボーイなんぞ、ほとんどグループ2だけで回しているような ものである。

1999年終盤にかけて、グループ3が登場してくる。まずは後藤理沙と内山理名が 先陣を切り、2000年に入ってから木内晶子と池脇千鶴がそれに続く勢いである。 しかし、まだグループ2の勢いも衰える様子は見えない。2000年はグループ2と 3のせめぎ合いとなるのであろうか。グループ2に関しては、深田恭子と加藤あいが まだ高校が一年あるのが強みである。というか、実は後藤理沙以外が全員81年 生まれのグループ3は、グループ2と次に来るグループ4との間の徒花なのではないか、 という感じがしないでもない。

時期的に言うと、そろそろグループ4の兆候が見え始めても、おかしくない。 正しい進化の流れで行くと、83年生まれか84年生まれがその中核を占めるであろうが、 ここ数年の傾向から行くと83年はすっ飛ばして(81年生まれがメインのグループ3が 出てくることによるマスキング効果で、83年はマスクされる)、84年生まれが 来そうな予感がする。で、84年生まれのグループを挙げてみると、 平愛梨、平山綾、 松本まりか、大村彩子、 小泉絵美子…。 実はそうそうたるメンバーではないんでしょうか。

メジャー週刊4誌のグラビアに登場したアイドルの変遷

下の表について

グラビア掲載率の高いメジャー週刊誌(ヤングマガジン、ヤングジャンプ、 ヤングサンデー、週刊プレイボーイ(表紙))についても、変遷をまとめてみた。 こちらは月刊誌と違って、あまり傾向がつかみにくいかも知れない。 各アイドルが全ての雑誌のグラビアに載るわけではないし。 唯一、ヤングジャンプがメジャー指向だというのが分かるくらいか。 上の表と同様に色づけを行ったが、最終パラグラフで挙げたグループ4の メンバーを黄土色(色がない…)で塗ってみた。…、まださほどの影響力は 無いようだ。

ドクターマルオさんの分析

用語
エース：グラビア登場回数が５以上のタレント
準エース：グラビア登場回数は４以下であるが、今後エースになりうるタレント
インナー系：水着以外の普段着中心のグラビア
水着系：水着中心のグラビア

＞ヤングジャンプ
強力なタレントを専属で抱え、豪華なグラビアローテーションを誇る。
加えてローテーの谷間には、ブレイク前の原石を起用する上手さもみられる。
インナー系へとシフトした優香の穴を埋める水着系タレントの補強が今後の課題。＜川村ひかる？
エース：鈴木あみ（10）広末涼子（8）奥菜恵（6）優香（6）田中麗奈（6）木内晶子（5）榎本加奈子（5）
準エース：後藤理沙

＞ヤングマガジン
水着系＝サンズ、イエローキャブ系が中心のラインナップが特徴。
水着系、インナー系問わず、多様なタレントを使い、色々な面に打ち分ける器用さはあるが、
特に水着系にはヒット性のあたりが少ない。
別冊（Exacta、Uppers･･･）には、良いスカウトがいるようですが・・・
エース：特になし

＞ヤングサンデー
インナー系、水着系、それぞれに中心選手が存在し、バランスは取れている。
反面、特定のタレントに傾向してしまうため、グラビアローテーションに特色が出ない。
エース：本上まなみ（8）加藤あい（8）
準エース：釈由美子、新山千春、酒井若菜

＞ヤングチャンピオン
エース：前田愛＆亜季
準エース：周防玲子

＞ヤングアニマル
エース：眞鍋かをり

しかし、メイン３誌のグラビア経験者って、優香さんしかいないんですね。